【謂より】
「― 今を去ること明治初年のころ、九州福岡の片田舎に住し
菊池武延氏は、不幸にして再度妻を迎えたがそのたび不縁になり
如何したものかと案じて不思議に思いし時、夢のお告げに、
「河内ノ国八大龍王境内に不思議な杉の木が有り、
この木を念ずれば良縁が授かる」と聞き、はるばる訪ね来たりて
八大龍王様に祈願致し折、黒雲が舞い降りて一本の杉の木が
包まれ、見ているうちに一筋の光がさし来たりて、あら不思議と
思いし時、菊池氏自身も雲の中に包まれた。
その後まもなく良妻を迎えられ子孫代々幸福に暮したという」
その後、この杉は「縁結びの木」として、全国より年ごろの
子供を持つ親、良縁成就を願う者の参拝が後を絶ちません。